クリーニング業は洋服をきれいにしてお金を頂いている訳ではありません。
お客様がキレイにクリーニングされた洋服を着て街に出掛けて頂く事で、ウキウキな気分でハッピーな一日を過ごせる!
お客様がパリっとクリーニングされたYシャツやスーツを着て仕事をして頂く事で、やる気満々な一日を過ごせる!
その価値の代わりにお金を頂いてる訳です。
一方、クリーニングは洋服を新品に戻すものではありません。
そして衣類はお店で買った瞬間から劣化が発生します。
汚れて着れなくなってしまった洋服をまた不自由なく着れるようにしてあげること、またその洋服を長持ちさせてあげる事
これがクリーニング店に課せられた課題です。
その点をご理解して頂きながら、クリーニング店を気持ちよくご利用頂くため以下の点にご注意ください。
汚れの確認・ご要望
「この汚れは気になるから落として欲しいけど、ここは見えない部分だし落なくてもいいわ~」
「どうしてもここの汚れが気になるのー」
「Yシャツのノリは強めの方が気合入るんだよー!」
「スーツ汗かいて袖通りが悪くなってきたんだよなー、なんとかなんないかね~?」
など、お客様のご要望は10人10色。
なので、出来るだけ、お客様のご要望をお聞かせください!
~シミ抜きの例~
例えばシミ抜きをすればそれだけ費用がかかります。
中にはシミ抜きをする料金でまた新しい品物を買えてしまうなんて事もあります。
だからこそ、そこまでお金をかけても落として欲しい品物なのかどうか、料金の上限など、ここのシミだけは落として欲しいなど、ご要望があればぜひお聞かせください。
~Yシャツのノリ具合~
ノリの固さも個人によって好き嫌いが現れる部分のひとつです。
中にはアレルギーをお持ちの方でノリはつけないでくれという方もいらっしゃいますし、弱め、またはもっと強い方がいいという方もいらしゃいます。
お客様の気持ちよいと感じるノリ具合に仕上げる事でお客様の満足度も上がる訳ですから、遠慮なくお申し付けください。
その分【ノリなし、弱め、強め】の場合は+50円で加工させて頂いております。
※当店はどっちかというと少しノリは強めです。
注意事項~ボタンや装飾品などにご注意ください~
上でもお伝えしたように、衣類は消耗品です。
その中でもよく経年劣化とともに壊れやすいものが、ボタンや装飾品です。
特にデリケートなボタンは何も保護をせずに洗うと、すぐ欠けてしまったり割れてしまったりします。
またプラスチック素材の部品、装飾品がついている品物は、洗いの際、乾燥の際、タンブラーによってダメージを受けます。
前回のクリーニング、前々回のクリーニングとダメージがだんだんと蓄積していき、そんなに着用してないしクリーニングにも出してないのに、当たり所が悪く割れてしまったなんてケースもございます。
【お客様にご了承頂きたい事】
・割れる・欠ける可能性がある旨の了解を頂く事
・どうしても破損させたくない場合は、事前に取り外して頂くorデラックス料金でのお預かり
ただ、当店が何も保護をせずクリーニングをしているかというとそんな事は絶対ありえません!
下記によくあるボタンや装飾品の経年劣化の例と当店の保護例をご紹介致します。
しっかりとした保護をしていても消耗品である以上、割れてしまうなどの可能性が0ではないことをご理解くださいませ。
事例
【貝ボタン】
貝ボタンは貝で作られたボタンです。
イメージ的にはサザエやアワビの殻の内側の、虹色に光っている感じの見た目です。
デリケートな素材やオシャレよりなすーつなどに付けられている事が多いです。
貝自体割れやすいものなので、割れや欠けが発生します。
貝ボタン
欠けちゃいます。
クッションになるように保護シートをかぶせて洗います。
【プリントがついているボタン】
ドライクリーニングの溶剤により溶けてしまう場合があります。
銀紙で保護することで溶けにくくなりますが、完全には防ぎきれません。
大抵のプリントボタンは溶けませんが、希にあるケースです。
溶けてしまったプリントボタン
これはまた溶剤を使い磨き、きれいに戻す事が出来ました。
ドライクリーニングしかできないものはしょうがありませんが、水で洗うと溶ける心配はありませんので、ウェットクリーニングもオススメです。
【ラッパ型のボタン】
スーツに時々ついているボタン。
ラッパ型になっており、淵が薄くなっているものが多いく、また衝撃が加わりやすい構造になっているので、割れやすい。
ラッパボタン 銀紙でまくことで衝撃を和らげる&裏返しで洗い衝撃を抑えて洗う。
【くるみボタン】
礼服についている場合が多い。
・ボタンの上の生地が擦れてはげてしまう
・裏面をみるとわかる通り、接着されています。これがはげてしまいます。
裏返しで洗うことで擦れや衝撃を抑え、はげを抑えます。
【プラスチック系の部品・装飾品】
何もせず洗ってしまうと割れる可能性大です。
洗う際、乾燥の際、いずれもタンブラーに叩かれるため、クリーニングに出す度に、衝撃によるダメージを蓄積していきます。
当たり所が悪ければ、そんなに着用していなくても、そんなにクリーニングに出していなくても、割れてしまう事だってあるんです。
プラスチックは破損しやすい消耗品のひとつだけに、割れてしまうという事故は多分他のクリーニング屋さんでも結構多いと思います。
だからこそ、クリーニング店の真摯な説明と、お客様のご理解も必要なお品物なんです。
スキーウェアの留め金
ベルトのバックル 割れてしまった画像
ダッフルコートについているツノ
素材は水牛のツノであったり、プラスチックであったりと色々。
以上いずれの場合も、ハンカチでぐるぐるに巻き、衝撃を与えないように洗います。
事故の中では比較的多いケースですので、もし思い出の品や大切な品物だから割って欲しくないという方はデラックスコースをお申し付けください。
【ひっかかるホック系】
ホックは他に引っかかりホックを壊すだけでなく、他の生地に引っかかり、糸引きを起こす可能性があります。
ホック 銀紙で引っかかりを防ぎます。
こういった大きめの金具の場合は、同じく引っかかるため、ハンカチを巻いて洗います。
【装飾品がついたボタン】
二つ以上の部品からなるボタンは大抵の場合、接着剤を使用しています。
特にこのような小さな装飾品がついている場合は衝撃+ドライクリーニング溶剤による接着のはげによりとれてしまった場合、見つけるのが困難なため、はげないよう、保護シートで固定します。
【厚いボタン】
Yシャツやシャツに時々見られるボタンです。
オーダーYシャツや、高めのYシャツやシャツに多くついている印象です。
洗う時は問題ありません。
しかし、仕上げの際に、特に機械プレスで仕上げをする際に厚いボタンは割れたり欠けたりしてしまう可能性があります。
こういった厚めのボタンは損傷する可能性が高いため機械プレスができません。
そのためYシャツであっても「手仕上げシャツ」メニューに格上げになり、料金があがります。
もし割れや欠けを気にしない方であれば、割れ・欠けのご了承を頂き、比較的安価なYシャツ(機械仕上げ)のメニューでお受けすることも可能です。
ただ、その場合、欠けであれば、目立ちはしませんが、完全に割れてしまった場合に、もちろん全く同じボタンはございません。似たボタンもあるかどうかわかりません。
そのため、クリーニング代金は上がりますが、出来るだけ「手仕上げ」コースを選択される事をオススメしています。
その他経年劣化による事故やその他の事故例なども包み隠さずご紹介します。